その他の障害児施設(児童福祉法による)

福祉・介護の職場ガイド

21-1.知的障害児施設

◇施設のあらまし/

知的障害を持った子どものための総合支援施設です。

家庭や地域での自立生活が困難な場合、その子どもを預かり、それぞれの障害に応じて生活支援や治療をしていきます。

また独立自活に必要な知識や技能を学ばせます。

施設では基本的な生活習慣や集団生活習慣や集団生活への適応力を育成し、養護学校や一般の学校内に設けられた特殊学級などで義務教育を受けさせます。

健全な心身育成のために、運動会、遠足、レクリエーションなどが開催され、楽しく生活できるように配慮されています。

2010年度で、224施設、利用者8,214人、職員5,868名の状況です。

◇職員の状況/

施設で中心になる職員は児童福祉指導員と保育士で、子どもの生活リズム、少人数単位、個別化、担任制といった環境を整備して療育していく役割です。

それは、児童指導員や保育士は、施設内でのお父さんやお母さんとして、子どもを見守っていくのです。

また、障害によっては、薬物療法などを含めた医療対応も求められますので、嘱託医や看護師も勤務しています。

ここで働くスタッフには、福祉と医療を上手に調整することが求められます。

さらに、在宅の知的障害児を対象とした母子短期入所などのショートスティ事業、保護者家族の相談にのる事業なども積極的に行っていきます。

21-2.知的障害児通園施設

◇施設のあらまし/

家庭から通園できる知的障害のある子どもを対象に、地域社会へ対応できるように生活や学習、運動などの指導を行なう施設です。

最近では、障害児教育の進展から、学齢期の子どもたちは養護学校や特殊学級に通学するようになったため、就学前の幼児が主体となっています。

施設の状況は、2010年度で230施設、利用者9,679人、職員4,139名です。

◇職員の状況/

スタッフには施設長(園長)をはじめ、保育士、児童指導員、看護師、調理師などが働いており、その他に作業療法士や言語聴覚士、医師などが嘱託として勤務している場合もあります。

仕事は、子どもたちを遊びや行事を通して、生活習慣や集団生活の基礎を身に付けさて行きます。

また、子どもの発達を心配する保護者のための外来相談といった事業も行っており、ニーズに応じたサービスを展開しています。

21-3.自閉症児施設

◇施設のあらまし/

自閉症児施設は、自閉症の子どもを預かって保護するとともに、必要な治療や訓練などを行なう知的障害児施設の一種です。

病院で治療する必要がある子どもを入所させる医療型の「第一種自閉症児施設」と病院に入院する必要のない子どもを入所させる福祉型「第二種自閉症児施設」があります。

この施設には18歳未満の自閉症の子どもが入所し、医療的ケアや独立自活に必要な知識や技能を習得する指導などを受けます。

施設の状況は、2010年度で、5施設、利用者170人、職員234名です。

◇職員の状況/

この施設では、医師、看護師、保育士、児童指導員といった専門スタッフが働いており、家族支援、関係機関との連携、地域社会への啓もう活動や理解の促進などを重点に、自閉症児の支援をしていきます。

さらに自立して地域生活ができるように、就労の場を開拓することも大切な仕事です。

自閉症児はコミュニケーションや人間関係を築くのが苦手です。

しかし、社会の理解さえあれば、十分に自立していけるのです。

こうした問題を抱える自閉症児を受け入れる優しい地域づくりは、社会全体にとって良い結果をもたらすに違いありません。

施設と地域が一丸となって弱い方を受け入れていく必要があります。

21‐4.盲児施設

◇施設のあらまし/

この施設は目が全く見えない、見えても日常生活が困難である子どもを入所させ保護し、自立生活に必要な指導または援助するのが目的です。

さらに、知的障害や肢体不自由を合わせ持った子どもが入所している場合もあります。

保護、生活指導、機能訓練(歩行や感覚訓練など)を中心として、親元を離れて生活する子どもが日常生活をより楽しく過ごせるように催しやクラブ活動なども行ないます。

施設の状況は、2010年度で、9施設、入所者120人、職員約100名です。

◇職員の状況/

施設で働く職員は、保育士や児童相談員、職業指導員などが支援にあたっています。

勤めるには展示などの専門知識の習得が必要です。

入所する子どもたちは、義務教育および職業教育のための盲学校や地域の小・中・高学校などに通学します。

他の障害者施設を併設している施設もあり、地域の福祉拠点を目指している施設もあります。

また、育児に対応したショートスティ事業を展開している施設もあります。

21‐5.ろうあ児施設

◇施設のあらまし/

この施設は耳の聞こえない子どもや強度の難聴の子どもを入所させて、社会生活に適応させ独立自活の生活を営むために必要な指導を行なうのが目的です。

施設での生活は、可能な限り家庭環境に近い状態にして、子どもの負担を軽減しながら必要な指導を行っていきます。

また、義務教育の学科指導・職業指導はろうあ学校に通学して受けることになります。

現在は重複して障害を持つ子どもの入所が増えており、新しい施設の在り方が問われています。

施設の状況は、2010年度で、10施設、入所者140人、職員127名です。

◇職員の状況/

施設で働く職員は、施設長、児童指導員、栄養士、看護師、調理師、事務員などが勤務しています。

これまで口語(唇の形で言葉を理解する方法)教育が主でしたが、限界があるとの声から、手話教育への期待が高まってきています。

子どもの生活全般にかかわる児童指導員は、手話を身に付けておくことが望まれますが、それだけでなく、あらゆるコミュニケーション術が必要とされています。

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