福祉・介護の資格と仕事

介護業務は、体力的にきついと言われますが、外回りの営業マンや、工場など常に立ちっぱなしの仕事をしている方たちと比べて、肉体的、体力的にきついとは言えないでしょう。

患者さんに十分なケアするためには、看護師には「知恵と工夫」が大切です

患者さんに十分なケアするためには、看護師には「知恵と工夫」が大切です

患者さんに十分なケアするためには、看護師には「知恵と工夫」が大切です

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次にインタビューした方は、K.Nさんです。

彼は、短大卒業後大学の研究室で行動科学を学び、その研究室には看護師の研究員が多く、自分も看護師を目指したいと考え、そこで卒業後改めて、看護学校に入学し、卒業後、看護師として病院に2年半勤務して、その後、訪問看護ステーションへ転職し、訪問看護師として勤務する42歳の男性看護師です。

◆K.Nさんの1日/08:30=ミーティング、訪問準備。09:30~13:00=患者さん宅訪問(午前中2軒)。13:00~14:00=昼休み。14:00~16:00=患者さん宅訪問(午後2軒~3軒)。17:00=記録、ミーティング、終業。

●「患者さんにもっと丁寧なケアをしたい」と願い、病院から訪問看護への転身をしました。

「私が知っている範囲ですが、訪問介護をしている男性は都内に7人くらいしかいないんですよ」と語るK.Nさんは、病院から訪問看護ステーションへと転身した理由は、「病院ではどうしても一人の患者さんに費やせる時間が短く、その患者さんのことを十分に知ることができません。もっと患者さんを深く理解したケアをしたい思いがあって、訪問介護ステーションならば可能なのではないかと思ったのです」。

病院看護と訪問介護ではいろいろと違った面があるそうです。

「一人の看護に大体1時間くらい時間を掛けますから、患者さんと向き合う時間も長くなり、それ以外にも患者さんの家族から相談を受けたり、私からもアドバイスするなど、丁寧なケアができるようになったと思います。しかし、病院と違いますから、何でも揃っているわけではありません。その場にあるモノを上手く利用したり、自分でつくったりする工夫が大切です。ステーションに実習に来た人から『訪問看護って、ペットボトルで頭を洗うんですね』と言われたのですが、寝たきりで患者さんには確かにペットボトルを使って頭を洗うこともあります。ペットボトルだけでなく、その場にあるモノを見て使えそうなものは何でも工夫します」と、K.Nさんは強調します。

病院との違いということは、病院では患者さんの家族との接点はあまりなかったと思いますが、そうしたコミュニケーションの面ではどうでしょうか。

「実際に毎日看護するのは家族ですから、家族がしてきた看護や介護を否定するようなことはしてはいけません。しかし、より良いケアをするためには、本人や家族とよく話し合って、私から、こうしたらどうかという提案をして受け入れてもらい努力をします。患者さんのためにもなって、家族にとっても楽にケアできるようになれば良いのですから家族と良い関係を築き、より良いケアを考えていくということは、訪問看護の喜びでもあります」。

ところで、東京都に数人しかいない男性訪問看護師ですから、女性ばかりの職場で苦労があるのでは?

「女性と男性では視点が違いますから、両方いた方が良いと私は思います。職場というより、患者さんの6割は女性ですから、男性の看護師には見られたくないという思い抱く人もいます。看護師として「男の人?」と戸惑われた時もあります。患者さんがいやな思いを抱くようであれば、女性の看護師に代わってもらうこともありますが、多くの場合は問題になりません」と、これからもっと多くの男性に、訪問看護の道に入ってきて欲しいと語ってくれました。

●自転車の荷台に「7つ道具」の入ったカバンを乗せて訪問しています。

K.Nさんは、1日に5軒ほど患者さん宅を回るそうです。

その移動は、もっぱら自転車だそうです。

「私の回るエリアは、下町で、道路が混みますし、狭い道や一方通行も多いために、自動車の移動では不便なので、もっぱら自転車で回ります。雨の日や暑い時は大変です。看護師も体力が必要ですよ」と、愛用の自転車と重いカバンを見せてくれました。

そのカバンの中には、看護に必要な「7つ道具」が入っていました。

もちろん7つではありませんが、その道具類は看護師によって、それぞれ違っているそうです。

当然オリジナルのモノも入っています。

患者さん宅にうかがう時は必ず持って行くものです。

「看護師はそれぞれ自分の使いやすく、必要だと思う道具を一つのカバンに入れておきます。基本的にはそのカバンを持って行けば事足りるように工夫しています。もちろん、その日訪問する患者さんだけに必要な用具もありますが、私の場合は、メジャーやノギスなども入れてあります。メジャーは2種類入れてあり、一つは手すりや段差の高さを測るものと、もう一つは患者さんの体を測るものです。ノギスは患者さんの皮膚の感覚を調べるのに使っています。看護師皆に共通しているのは聴診器と血圧計、体温計くらいだと思います」。

このように、訪問看護師ならではの知恵と工夫がなされているようです。

では、同じ看護師でも、それぞれ得意な分野があるのでしょうか?

「得意分野はあります。看護師だけでなく訪問看護ステーションにも特色があります。例えば、リハビリが得意という看護師が多くてリハビリに力を入れているステーションとか、末期がん患者さんなどのターミナルケア(末期医療)に力を入れているところなど、得意分野を活かしながら運営されています。私の考えは、看護師は自分の得意持っていて、その上で、どのようなケースの場合でも対応できる力を持っているのが良いと思っています。私自身は、リハビリが専門分野ですが、もちろん、どのような患者さんも担当しています」。

●命を支えるところまで看護しています。

自宅で暮らす高齢者や障害者の看護や介護の援助をするという意味では、看護師もホームヘルパーも同じと思われますが、しかし違いはあります。

それは、看護師は「特に医療の目を必要とする人」の援助もするところです。

単なる「手助け」ではなく、命を支えるところまで関係していくのです。

「訪問看護は、その人がその人らしく生き、その人らしく亡くなるまで、必要な援助を行なう仕事です。些細なミスも許されないという重い責任も背負っています。でも、だからこそ看護の基本が活かせる大切な仕事であり、やりがいのある仕事だと感じています」と、そんな訪問看護の魅力を、最後にN.Kさんは語ってくれました。


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