⑦就職活動はどうすればいのですか?
ここからは、就職活動についてお話しします。
●働きながら資格を取得しましょう。
私が福祉施設に就職した20年以上前は、新卒男性は特に、変わり者か勤め先の無い者しか就職しないと言われていました。
当時は、誰でもが、福祉施設という存在すら避けて、特に考えないようにしていた状況でした。
今のように、これほど注目されることになるとは思いませんでした。福祉関係の資格もこのころできました、私は、仕事をしながら、2年近くの通信教育学んで社会福祉士の受験資格を得て、資格を取得したのです。
しかし、この試験には3回落ちていますし、後に取得したケアマネジャー(介護支援専門員)も、1回落ちています。
仕事をしながらの勉強は大変ですが、強い意志があれば必ず克服できます。
どのような試験でも、受かればうれしいものです。
新たなモチベ―ションとして、チャレンジしてみましょう。
●福祉・介護業界に就職するためには、資格があると有利です。
少子高齢化や人手不足など、今の日本が抱える問題点は、福祉・介護の仕事に就きたい人にとっては、すべて追い風です。
今は、高校生でも福祉・介護の勉強ができる時代です。
専門課程を修了すれば、介護施設では最低限必要な「ホームヘルパー2級」の資格が取れ、介護福祉士国家試験の受験資格も得ることができるのです。
場合によっては、高校卒業後すぐに、福祉現場で「正職員」として働くこともできます。
また、初めて介護の職に定年退職前の方でも、正職員として勤めることはが不可能ではなくなってきました。
こうした状況の背景には高齢化にともない、福祉・介護施設が、これからも増えていく状況があり、少子化による人手不足によって、求人の年齢層も幅広くなっているのです。
それは「非常勤(パート)」でなく「正職員」としての雇用の広がりにつながってきています。
例えば、介護福祉施設での就職考えた時、これまでは最低条件が「介護福祉士」だった資格条件を「ホームヘルパー2級」で良いとする施設も増えています。
「ホームヘルパー2級」の資格なら、3~4ヵ月の通信教育で取得できます。
ほとんどの人は、仕事しながら取得が可能なはずです。
比較的に簡単に取得できる資格で正職員として就業できます。
この業界の門戸は広く開き始めています。
●年代別、就職への道標です。
◆その(1)中学生、普通科高校生の場合は…
◎中学生…中学生のころから、将来の仕事を決めている人は少ないと思いますが、中には、親が看護師や保育士で、小さい時から親の働く姿を見ていて、同じ職業に就きたいと思う、中学生は、高校の進学先は、迷わず、福祉関係の専門課程がある高校へ進学しましょう。
◎普通科高校生…
○福祉に興味を持ち、将来福祉関係の仕事に就きたい、でもすぐに就職するのは、不安だという人、また、ハッキリと将来の目標が見えない人は、福祉専門学校で福祉の専門的に学びましょう。
○福祉施設で働きましょう。
現場ですぐ働きたい人、諸事情ですぐに働かなければならない人は、福祉現場に入り、働きながらホームヘルパー2級の資格すぐに取りましょう。
また、実務経験が3年経てば、介護福祉士受験資格が取得できます。
運悪く、最初は正職員として働けない場合もありますが、働いていく中で正職員への道はすぐに開かれてくるはずです。
*福祉の世界は、今のところ、一般企業のように学歴は重視されてはいませんが、資格は必須です。
資格があり、仕事さえできれば、肩身の狭い思いをすることはないと思います。
◆その(2)福祉科高校生の場合は…
○もう少し、福祉について学びたい人は、福祉専門学校で福祉を専門的に学びましょう。
今後さらに、どのような資格を取得したいか、2年間でより多くの資格を目指し、よく考えて、学校を選びましょう。
○より良い待遇を求めて福祉施設を探し働きましょう。
専門課程を修了すればホームヘルパー2級の資格を持っているはずで、ならば、正職員の就職も可能です。
そうでなくても介護福祉士に合格すれば、その時点で正職員となることができるのかを就職前に事業所に確認しましょう。
あなたの希望通りの条件で就職先が必ず見つかるはずです。
*介護福祉士の合格発表は、3月末となっているため、就職活動の時期には、合否がわかないのです。
○4年制福祉大学で、福祉を深く研究し、さらに福祉の周辺学問について学びましょう。
今や大学の入学は難しくありません。
ただし、目的を持って行なわなければ時間の無駄になってしまうこともあるでしょう。
4年の期間を無駄にすれば、現場主義の福祉の世界からは、後れを取ってしまうかもしれません。
大学では専門の福祉はもちろん、福祉周辺の学問、福祉以外のことも貪欲に学んでいこうとする姿勢がだいじです。
どんな学問でも、福祉はもちろん福祉だけでなく人間関係に役に立つのです。
受けられる授業はどんどん受けましょう。
心理学、社会学、教育課程などなど、多くの授業を受けておいて損はありません。
◆その(3)一般大学生、短大生、専門学校生の場合は…
○即、就職です。
今までに、十分勉強してきました。その経験は決して無駄にはなりません。
これらの卒業生の方々は、福祉を専門的に学んでいません。
しかし、福祉関係の仕事はあらゆる勉強や経験が活かせることができる仕事です。
ですから、学んできたことや経験してきたこと必ず活かせることができるのです。
今まで一筋に福祉を専門に学んできた人よりも、他のことについて広く学んできた人の方が、柔軟な発想を持っていて、就職後に伸びる、ということを福祉業界ではよく聞かれます。
私も実感していることです。入職後は、ホームヘルパー2級の取得から始まって、介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士…等と資格取得を目指しましょう。
ただし、資格を取得するためには、実習やスクーリングが必要であることが多く、そのために有給休暇を取ることになります。
事前に事業所で、資格取得のための休暇がどれだけ求められているのか、どのようにすれば職場に迷惑を掛けないで済むのか、確認しておきましょう。
どこの職場でも資格取得や研修について積極的に取り組んでいるようになってきています。
しかし、あまり無理を言ってはいけません。
職場の同僚やスタッフに迷惑を掛けない気持ちが大切です。
実績を残しながら上司にも同僚にも、気持ちよく「行っておいで!」と言われるようになることが何よりも大切なことです。
また、一方、どうしても福祉について専門的に学びたいという人は、後悔しないためにも、福祉専門学校へ再度入学しても良いかもしれません。
◆その(4)中高年者の場合は…
子育てを終えた主婦、転職組、定年前にチャレンジしたい、という方々の皆さんがチャンスです。
ただし、リストラされて就職先が見つからないからという人は、真剣に考えていかなければ、面接で必ず落とされます。
仕方がなく…と、考えている人がやれるほど甘くはない職種です。
さらに、できれば、就職前にホームヘルパー2級の資格を取っておきましょう。
○子育てを終えた主婦の場合…自信をもって就職活動しましょう。
これまで経験してきたことは、福祉の現場で活かせる大切なことです。
ただし、10年前の福祉業界と違い、体を動かしていればできるといった仕事ではなくなっています。
例えば、ケアプランの作成や日々の記録、パソコン、事務仕事などの業務が増えています。
また、自分の子どもと同年代人から教えてもらうことも多く、ギャップやストレスを感じることもあるでしょう。
それらのことを楽しむ余裕が必要です。
○前向きな転職組の場合…事前にホームヘルパー2級の資格は必須です。
そのくらいの意気込みが必要でが、謙虚に熱く、自らの思いを前面に出しましょう。
しかし、年齢給は期待できません。給与が下がることは覚悟してください。
自らの行動力で、よりよい条件の職場を探しましょう。
また、健康診断を重んじる事業所もあります。
不健全な生活を続けてきたためにまれに、検診に引っかかり、就職できないケースもあります。
ですから、普段から健康面に気をつけておくことも大切なことです。
○さらに年配者の場合…定年前、あるいは定年後でも、まだまだ元気で何かやりたい、という方が増えています。
以前はボランティアとして、その活力を生かしてきた年代の人も、せっかくですから報酬をもらい、働いてみましょう。介護の現場では、あまり無理せず、時間パートで働いてみましょう。
最も合っている方法は、ホームヘルパー2級の資格を取得し、ヘルパー事業所で登録ヘルパーとして働くことベターです。
実際に、自分より若い年寄りを、ヘルパーとしてケアすることも珍しくありません。
○リストラ組の場合…とりあえず職がないからという考えでは合格しません。
自ら正直に、真面目に先のことを考えて活動しましょう。
面接では、必ず志望動機を聞かれます。
自らの思い、今後の考えをしっかり述べられるようにしておかなければなりません。
のっけから、待遇、給与を聞くことはひかえましょう。
本当に困っているなら、非常勤採用であっても受け入れ、自らの実績で待遇向上の交渉を行なう、くらいの意気込みが必要でしょう。
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