◇施設のあらまし/知的障害、身体障害、精神障害の3つの障害を一元的に支援するためにつくられた、障害者自立支援法による施設・センターです。
●障害の種類によらない一元的な支援施設となりました。
2006年に「障害者自立支援法」が施工され、それまで障害の種別によって、知的障害者福祉法、身体障害者福祉法、精神障害者福祉法など、それぞれ別の法律によって33種類に分けられていた施設体系が、6つの事業体系に再編されました。
これにより地域の特性を考慮した柔軟な運営ができるよう、複数のサービスを実施する多機能型の施設ができるようになりました。
障害者自立支援法では、これまでの「居宅サービス」「施設サービス」という分類から、「福祉サービス」という一本化したサービス体系へと移行することになります。
それによって、「更生施設」「授産施設」「福祉ホーム」などの個別の名称から、新しい施設は「障害者支援施設」「地域活動支援センター」「福祉ホーム」という名称に統一し現在、移行しつつあります。
障害者支援施設のサービスの内容は各施設が、それまで行ってきた事業が基盤となっています。
例えば、障害者支援施設でも、元が更生施設であったところは更生を重視した支援をし、授産施設なら働くための技能取得の支援や働く場を提供します。
そして、入所型やデイサービス型の施設もあります。
地域活動支援センターは、障害者とその家族のための相談と支援のセンターです。
必要な情報を提供したり、食事やレクレーションを提供したり、入浴サービスを行なうところもあります。
また、障害者に対する虐待の防止や早期発見などの役割も担います。
福祉ホームは、家庭で生活することが難しい障害者のためのアパートのようなモノです。
それは、車いす用のスロープや手すりなど、障害者が暮らしやすい設備が整備されており、ヘルパーの介助を受けながら生活できるようなになっています。
●障害者自立支援法によるサービスの分類
◎日中活動/
○介護給付:①療養介護(医療型)②生活介護(福祉型)
○訓練等給付:③自立訓練(機能訓練・生活訓練)④就労移行支援⑤就労継続支援(雇用型、非雇用型)
○地域生活支援事業:⑥地域活動支援センター
◎資格居住支援/施設への入所または、居住支援サービス(ケアホーム、グループホーム、福祉ホーム)
●その施設のサービス内容によって、働く人が異なり、求められる人材や資格も異なります。
機能訓練のため施設では、看護師や理学療法士、作業療法士が働いています。
作業所のようなところでは、作業指導員が主に働いています。
そのような状況なので、働きたい施設がどのようなサービスを行っているのかを確認することが求められます。
●将来性は、法律のさらなる変更が不安定な要素となっています。
2009年9月に誕生した民主党政権が「障害者自立支援法を」を廃止し、総合的な新制度をつくることが決められて、2010年1月より「障害者制度改革推進会議」において議論が行なわれており、その内容は
- 利用者負担の見直し
- 障害者の範囲の見直し
- 相談支援の充実○障害児支援の強化
- 地域における自立した生活のための支援の充実
などです。
今後どう見直しが行なわれるか定かではありません。
施設の現状は、障害支援施設は2007年度では197施設で、2010年度では1,204施設、地域活動支援センターは2007年度では1,859施設で、2010年度では2,410施設、福祉ホームは2007年度では177施設で、2010年度では150施設となっています。
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