●仕事の内容について

臨床心理士とは、一般には「カウンセラー」や「セラピスト」などと呼ばれる心理関係の職業のうちで、臨床心理学を学問的な基盤として、心に問題抱えた人を解決に導く心理学の専門家で、今日では、例えば、全国公立中学校や小学校に1996年以降よりスクールカウンセラーとして派遣され約5,800名が活躍しているが、その代表例といえましょう。

1988年に「日本臨床心理士資格認定協会」が設立され、心理職に資格が与えられるようになり、現在では約2万4,666(2012年現在)人以上の臨床心理士がさまざまな現場で働いています。

臨床心理士の仕事は、面接、観察、心理テストなどで、その人の性格的特徴やどこに問題があるのかを明らかにし、どのような方法で問題を解決するための援助を行なうか検討するところから始まります。

そして、精神分析や家族療法、夢分析や行動療法などの臨床心理的技法を駆使して、心の問題の解決を図ります。

また、心理的問題では、学校や職場、地域社会に働きかけて、心の環境調整を図ることも必要になります。

そのため、個人のプライバシー保護にも配慮する必要もあります。

臨床心理士は、福祉の充実だけでなく、社会的道徳を守るために「臨床心理倫理網領」を尊守する義務を負った非常に高度な専門職なのです。

基本的な資質としては、相手の個性を受け入ることができる寛容さや柔軟性、相手を客観的観察する力や分析力が必要です。

●職場の状況について

教育分野ではスクールカウンセラーとして、医療・保健分野では主に精神科系が職場です。

福祉分野では婦人保護施設や母子施設、児童相談所、精神障害者生活訓練施設などで、他に司法・矯正分野の鑑別所や刑務所、裁判員メンタルヘルスサポートなどや労働・産業分野の一般企業内カウンセラーなど、その分野は多方面に広がっています。

●雇用形態と初任給について

公立の児童福祉施設など福祉関係では公務員として働くことになります。

また、病院に勤めた場合の初任給は、約18万円前後が多いようです。

それ以外の分野は、ほとんど非常勤で、身分が保証されているわけではありません。

●この資格の未来については

まだこの資格が新しいという印象があるうえに、国家資格でもありませんが、心理関係の資格が少ないため、臨床心理士を目指す人は多くいます。

しかし、どの職場でも「資格を持っていることが望ましい」という程度です。

この資格に対する評価は、世間では、まだまだ不十分な要素があります。

しかし、近年増加する、いじめや不登校など青少年にかかわる問題やうつ病・自殺などの社会問題には、心理分野の専門家の知識や技術に大きな期待が寄せられています。

また、高齢化社会を迎えて、高齢者の方々への心のケアの重要性はもとより、その家族や関係者への心の支援活動、そして、犯罪被害者の支援は、被害者への直接の支援とともに、その被害者の周辺の人々に対するケアも求められます。

さらに最近では、クライアントから相談料を得ることで職業的自立の「私設心理相談所」を開設するいわゆる開業臨床心理士も増加傾向にあります。

地域に根付き、多彩な相談に対応できることから、一般の方々が気軽に心の悩みを打ち明けられる貴重な心の専門的な支援の場として、今後もっとも期待される活動領域です。

さらに、幅広い領域、幅広い世代への専門的な心のサポーターが期待され臨床心理士の活躍する場が今後ますます求められています。

●臨床心理士になるためには?

◎受験資格/大学で心理学を専攻し、卒業後5年以上の実務経験を積むか、あるいは大学院の修士課程で心理学を専攻し、修了後に1~2年以上の実績を積んでから認定受験資格を得る必要があります。ただし、(財)日本臨床心理士資格認定協会の第一種指定大学院、臨床心理士養成専門職大学院を修了した場合は実務経験なしで受験できます。その他のルートでは、第二種指定大学院修了後、心理臨床経験1年以上の者。医師免許取得者で心理臨床経験2年以上の者。諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴および心理臨床経験2年以上の者などがあります。

◎試験内容/○筆記試験(一次試験)…100題の設問(多肢選択法、マークシート方式)と定められた字数の範囲内で論述する小論文の2種類です。○口述面接試験(二次試験)…マークシートによる筆記試験の成績が一定の水準に達している人のみ実施され、2名の面接委員により実施されます。○審査…筆記試験および口述面接試験の結果を総合的に判断して行なわれます。合格率は、2011年が受験者2,740人・合格者1,661人で60.6%、2010年が受験者2,607人・合格者1,598人で61.3%とほぼ60%強程度になっています。また、この試験に合格した後も、5年ごとに資格更新が行なわれ、学会活動や認定協会主催の研修会への参加などがポイントとして評価されます。最低15ポイント取得することが更新の条件とされています。

■試験データ/○受験申込み:例年7~9月頃○試験日:筆記試験=例年11月下旬、口述面接試験=例年11月下旬○合格発表:例年12月下旬○試験会場:東京○受験料:30,000円(登録料50,000円)(2013年)

■問い合わせ先/財団法人 日本臨床心理士資格認定協会 〒113-0033 東京都文京区本郷2-40-14 山崎ビル7階TEL:03-3817-0020 FAX:03-3817-5858 URL:http:/www.fjcbcp.or.jp/

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1962年9月15日生まれ。 神戸市在住。 資格:実務者研修

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