児童遊びを指導する者(児童厚生員)

●仕事内容について

「児童の遊びを指導する者」は、かつては、「児童厚生員」と呼ばれていました。

現在でも一般的には「児童厚生員」と呼ばれています。

児童の遊びを指導する者は、児童館や児童センターなどの児童厚生施設で勤務し、遊びを通じて児童の自主性や創造性、社会性を高め、地域で児童が健全に育つようにサポートする仕事です。

具体的には、遊戯室や音楽室・図工室・図書室などを利用して、音楽会や図工・絵画、劇などの催しや、また高齢者・障害者などとの交流などのボランティア活動を含めた催しなどを企画して実行します。

このような活動を通して、子どもたちの遊びの世界を広げ、心身を健やかに保ち、集団生活でのルールや協調性を養うなど、健康増進と上層の両面での育成を図ります。

また、子ども会や保護者グループなど、地域の組織活動を支援するのも“児童の遊びを指導する者”の仕事の一つです。

また、最近では、地域の児童館が何らかの理由で学校に行けない児童や、不登校でひきこもりがちな児童のために利用されることもあり、そのような子どもの性質の精神面をケアできるような、専門的知識や技術も求められています。

●職場の状況について

児童館や地域子育て支援センター、放課後児童クラブなどがあります。

●雇用形態と初任給について

公営施設の場合は地方公務員ですから定時の常勤となります。

また、保育園や児童館の中に地域子育て支援センターがあるなど、複数の施設が同じ場所にある場合には、複数職を兼任するケースもあります。

また、児童館の開館時間に応じて午後だけのパートタイムあるいは、非常勤の場合もあります。給与は、公立の場合は各自治体の給与規定に基づいて支払われます。

私立の場合は、地方公務員の給与水準を基準にしているところも多いのですが、施設の経営規模や、本人の経歴によって異なります。

●この資格の将来性について

児童厚生員として仕事に従事している人は、全国で約1万人です。

児童館や保育所などで運用される放課後児童クラブや地域子育て支援センターは現在大幅に増設されています。

しかし、職員は専門職としてというより、公務員として採用された、その後適性によって配属されるのが一般的なので、この資格を持っているからといって、児童館の職員になれるわけでないことなのです。

しかし、不登校児の増加や子どもの育成環境にかかわるさまざまな問題が増大している今日、地域における児童厚生施設の必要性や重要性は高まる一方です。今後、求人状況も好調に推移し続けるでしょう。

●児童の遊びを指導する者(児童厚生員)になるためには?

児童厚生員は、児童館などで働いている名称で、特定の資格ではなく、任用資格です。

2010年度現在で、全国に約4,300強の施設数、児童遊園地が3,200強の施設数となり、児童福祉施設としては保育所に次いで多い施設となっています。

その多くが公立です。公立施設に勤務する場合は、基本的には地方公務員となります。

公務員以外では、その運営を委託された社会福祉協会や福祉事業団などの各種団体に採用される場合もあります。

また、民間では保育所などを運営する社会福祉法人が児童館の運営していることもあり、求人募集は欠員の出た時だけです。

その際の採用試験は、筆記や論文審査が行なわれたり、面接だけという場合もあり、運営主体によって、採用条件や有資格など、異なっているのが現状です。

ですから、児童厚生員を目指す人は、市区町村の児童館担当課や各児童館に直接問い合わせることをお勧めします。

また、児童健全育成推進財団では、児童厚生の質的向上、社会的ステータスの向上のため、「児童厚生二級指導員」「児童厚生一級指導員」「児童健全育成指導士」の認定児童厚生員資格制度を行っています。

その概要と認定要件は次の通りです。

◎児童厚生二級指導員/児童館・放課後児童クラブの機能と活動内容について理解を深め、子どもたちの遊びや生活を通した発達支援に直接的にかかわる職員のための基礎資格です。児童厚生員または放課後児童指導員に着任してから3年(36ヵ月)以内に取得することが望まれます。《認定要件》○現任者研修での取得①児童館・放課後児童クラブ(運営団体 担当行政機関含む)の有給従事者であること②育成財団が定める基礎研修の理論(必修9科目)と実技(必修3科目+選択必修1科目)のすべてを履修すること○養成校での取得①財団認定の児童厚生員養成校において所定の単位を取得・卒業すること《有効期限》無期限有効

◎児童厚生一級指導員/児童館・放課後児童クラブで指導的役割を担うとともに、地域関係機関との調整や連携にあたる児童ソーシャルウーカーとして、地域における児童健全育成・子育て支援活動の推進に努める職員のための資格です。《認定要件》○現任者研修での取得①児童館・放課後児童クラブ(運営団体・担当行政機関含む)の有給従事者として3年(36ヵ月)以上の勤務経験を有すること②「児童厚生一級指導員」資格の認定要件を満たしていること③育成財団主催の「中堅児童厚生員等研修会」を修了していること④所定の資格認定試験に合格していること。※認定試験は「中堅児童厚生員等研修会」修了時に実施します○財団認定の養成校での取得①児童厚生員養成校において所定の単位を取得・卒業すること《有効期限》無期限有効

◎児童健全育成指導士/児童健全育成や子育て支援など児童福祉事業に精通するスーパーバイザーとして、経験に裏付けられた理論と実践力を持つ職員のための資格です。児童にかかわる行政施策に関与するなど、児童館・放課後児童クラブの発展に寄与するオーガナイザーを目指していただきます。《認定要件》①児童館・放課後児童クラブ(運営団体・担当行政機関含む)の有給従事者として5年(60ヵ月)以上の勤務経験を有すること②「児童厚生一級指導員」資格を取得していること③育成財団主催の「全国児童厚生員等指導者養成研修会」を修了していること。⑧所定の課題(実践論文)を作成し、審査を通過していること《有効期限》無期限有効

■問い合わせ先/財団法人 児童健全育成推進財団 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-12-15 日本薬学会ビル7F TEL:03-3486-5141 FAX:03-3486-5142 URL: http://www.jidoukan.or.jp/



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