◇施設のあらまし/認知症のお年寄り5~9人を単位で、共同生活する施設です。少人数で家庭的に生活することで認知症の進行を遅らせることが期待されています。
◇職員の内容と資格/○職員…管理者、事務員、生活指導員(生活相談員)、介護支援専門員、介護職員、看護職員、栄養士、調理員など○資格等…社会福祉士、介護福祉士、ホームヘルパー、介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、管理栄養士、栄養士、調理師。
※職員・資格は事業所で必須の人員でありません。事業所によって違いがあります。
●この施設は、認知症のお年寄りが少人数で共同生活する家です。
グループホームは、認知症対応型共同生活介護と呼ばれ、要介護1~5の認定を受けている認知症の高齢者が対象で、少人数で普通の生活が送れるように考慮した共同生活の場です。
少人数で家庭的な生活することが認知症の進行が穏やかになるといわれています。
もともとはスウェーデンの一般の民家で行なわれていたグループリビングケアが発祥とされており、日本では、1997年に法律化され、介護保険では施設サービスではなく、在宅サービスに位置づけられています。
すなわち、高齢者がこのホームで共同の生活している、という考え方です。
居室は基本的に個室で、5~9人が1ユニット単位として共同生活を送っています。
こぢんまりとした家庭的な環境の中で、食事や入浴・排泄などの介護、日常生活上の世話や機能訓練を行ないます。
基本的には共同生活なので、入居者たちは食事をつくったり掃除をするなど、スタッフの手を借りながらできることは自分で行ないます。
なので、他人と一緒に生活することが困難な場合には入居できないこともあります。
また、寝たきりや医療が必要な状態になると、住めなくなります。
費用は介護サービスに対してのみ1割自己負担で、生活に必要な衣食住の費用はすべて自己負担です。
1事業所あたり、同一敷地内に2ユニットまでしか設置できないので、どの施設もそれほど大きくありません。
中には都市部ではマンションの一画を改装してグループホームにしているところもあります。
アットホームな感じがしますが、逆にその環境に馴染めない人には勧めにくいでしょう。
●職員は、入居者に親密に接することができる介護職員が中心となります。
管理者、介護職員、看護師、ケアマネジャーなどが働いています。
生活の場なので、スタッフは入居者の生活をサポートするという立場なので、入居者と一緒に台所に立ったり、掃除を手助けしたりします。
また、24時間必ず職員がいなければならないので、夜勤や日勤、早番、遅番などが日常的にあります。
◎グループホームの賃金状況は…
介護職員として働く場合、地域、資格の有無などによって給与に差があります。
東京都では16万円~24万円、それ以上のところもあります。
ケアマネジャーになると、20万円~28万円ほどが多く、30万円以上というところもあります。
●家庭的な介護を求める人が増加していて、今後もっと必要になることが期待されています。
2010年10月では10,048施設あります。
前年より364施設増えています。需要の大きさがうかがえます。
認知症の高齢者は、2010年では280万人で2025年には470万人になるともいわれていますので、グループホームのような施設は今後とも必要になるでしょう。