この2つの制度について、施設運営の面から簡単に説明します。
措置制度とは、収入すべて税金で支払われたといえます。
多くの事業所派では、公務員に準じた「俸給表」を使用し定められた月給、賞与、昇給がありました。
施設運営についても、よほどのことがない限り事業所がつぶれることはないので、職を失う心配もありませんでした。
一方、介護保険制度では、基本的に施設運営費は保険料からまかなわれます。
サービスの利用者の状態(要介護等)や人数によって、介護報酬として事業所に支払われます。
措置制度の時代と比べると収入が安定していないので、企業努力も必要になってきますし、まして、不正を行ったり、間違いが改善されないような事業所は、当然運用できなくなることもあります。
そういった角度から見ると、以前よりは、給与的にも運営的にも厳しくなっているといえます。
全国一律の介護保険料制度のため、物価、土地、食材費の高い大都市では、特に経営が厳しいといわれています。
その分、人件費を抑えなければならないから、さらに厳しいのです。地方の施設より給与が低くなる傾向が生じことがあるかもしれません。
反対に、地方では福祉・介護仕事が大きな就職口としての役割を果たしていることも少なくありません。
いろいろな側面がありますが、賞与・社会保険・年金などのことを総合的に考えると福祉介護の業界は、安定した将来性のある職業だといえます。