◇施設のあらまし/両親が共働き、母子家庭や父子家庭、あるいは病気などの理由で、乳幼児を家庭で保育できない場合に両親に代わって保育する通所の施設です。
◇職員の内容と資格/○職員…施設長、事務員、保育士、調理員など。○資格等…保育士、調理師など。
※職員・資格は事業所で必須の人員でありません。事業所によって違いがあります。
●認可保育所と認可外保育施設があります。
保育園と呼ばれることもありますが、正式には保育所です。
共働きや母子家庭、父子家庭など保育が思うようにならない家庭の0歳から小学校に上がる前の子どもたちを保護者の承諾得て預かり、保育や教育する施設です。保育所では食事や睡眠、遊びなどを通して、乳幼児に大切な生活習慣を身に付けさせます。
そして集団生活の中で、楽しみながら規則や協調性を学ばせていきます。
経営主体は、私立以外に、国や市区町村、社会福祉法人などが運営しています。
保育所と似た施設に幼稚園がありますが、実際は多くの違いがあります。
まず、管轄官庁が違い、保育所が厚生労働省で幼稚園は文部科学省です。
また保育所は児童福祉法で、幼稚園は学校教育法を法令とし、働く人の資格も、それぞれ保育士資格、幼稚園教論免許で、利用料などにも違いがあります。
また、保育所には許可保育所と認可外保育施設があります。
認可保育所は施設の広さ、保育士の人数、給食設備などが一定基準をクリアしている保育所で、許可外保育施設は認可を受けていないものの、子どもを保育する施設の名称です。
認可外保育施設の規模や設備、運営などさまざまで、自治体の支援を受けているところもあります。
認可保育所は世帯収入によって保育料が決められていますが、認可外では所得に関係なく一律料金のところが多く、さらに、保育時間は認可保育所の場合は11時間が基本ですが、認可外保育所では夜間保育をしているところもあります。
これまで保育所は“保育”、幼稚園は“教育”を中心にしてきましたが、最近では、保育所も“教育”に、逆に幼稚園は“保育”に力を入れており、両者の差がなくなっています。
また、都道府県条例に基づく認定する「認定こども園」が発足しています。
保育所、幼稚園のうち、保育および教育を一体的に提供し、地域の子育て支援を行なう機能を備える施設で、
の4タイプがあります。
幼稚園的機能としては、3歳児以上の子どもは、担任による4時間程度の教育と保育園的機能として、短時間(約4時間)から長時間(約8時間)まで選べるようになっています。
地域子育て支援としては、子育て相談・親子登園を週3日以上行っています。
2010年で、効率の認定こども園が122ヵ所、私立の認定こども園が410ヵ所、幼保連携型認定こども園が241ヵ所、幼稚園型が180ヵ所、保育所型が86ヵ所、地方裁量型が25ヵ所で、総数1,064ヵ所あります。
●職員は、なんといっても保育士がメインです。
2003年に名称独占資格に改められ、資格のない人が保育士を名乗って働くことができないようになりました。
さらに、保育士として都道府県の保育士登録簿に登録しなければ保育所で働くことができないようになりました。
保育士は、単に乳幼児を預かるだけの仕事ではありません。
乳幼児の性質の発育や体調、個性に合わせた保育プログラムを組み、月や週および日単位で保育プランをまとめ、それにそって保育を進めていきます。
乳幼児の心身の発展や保護、育成、教育を中心に、保育士としての専門知識を用いて保育していきます。
保育士の人数は、乳幼児3人に対して保育士1人以上、1歳以上3歳未満児には6人に1人以上、3歳以上には20人以上に1人以上、4歳児以上には1人以上と決めれています。
また、認可保育所では、施設の規模に応じて1名から3名の調理員がおり(外部調理員でも可能)、乳幼児の発育に必要な滋養・栄養とおいしい給食を提供します。
●多様化と待機児童低減を目指して増加傾向にあります。
最近では保育所を取り巻く環境は多様化しています。
保護者が求めるニーズに合わせて、延長保育、夜間保育、休日保育、一時保育、病後保育、障害児保育などが設けられています。
また、政府は、2015年をめどに「総合こども園」と呼ばれる保育所と幼稚園の機能を併せ持った施設をスタートさせる方針を打ち出しています。
保育所の現在は、保育所が中心となって、育児相談、子どもたちの遊び場、母親たちの交流の場など、地域に密着した「地域子育て支援センター」としての広範囲な活躍も期待されています。
女性が働くチャンスが増える状況で、待機児童の問題が社会的な問題となり、また、育児全般にわたるサポートを求める人も増え、保育所の施設数は2010年度で21,681ヵ所、利用者数2,056,845人、従業員442,703人と増加しています。