婦人保護施設

福祉・介護の職場ガイド

◇施設のあらまし/保護を必要とする女性が入所し、生活指導や職業訓練の自立支援を受けることができる施設です。

◇職員の内容と資格/○職員…施設長、生活指導員、職業指導員、事務員、心理職員、栄養士、調理員など。○資格等…社会福祉士、社会福祉主事、看護師、臨床心理士、栄養士、調理師など。

※職員・資格は事業所で必須の人員でありません。事業所によって違いがあります。

●DVから逃れる女性の受け皿としての施設です。

婦人保護施設は、1956年に売春防止法の元に生まれました。

もともとは売春を行なう恐れのある女性を収容保護する目的の施設でしたが、今では家庭環境の破綻や生活の困窮といった、社会生活を営むうえで困難な問題を抱えている女性も保護の対象としています。

特に2001年に成立した、配偶者暴力防止法によって、婦人保護施設が配偶者による暴力(DV)の被害者を保護できるようになり、激増しているDVから逃れる女性たちの受け皿になっています。

都道府県や社会福祉法人などが設置主体で、全国に47施設があり、利用者は521人います(2010年度現在)。

入所は、全国にある婦人相談所(女性相談センター)を通して保護が行なわれています。

施設では自立構成と教育指導など定められた規則の元で社会での自立した生活を送るための支援をします。

また、居室、相談室、静養室、医務室、作業室、食堂などが設けられ、精神的に追い詰められた女性たちの心を癒すような配慮がされています。

さらに、DVを受けた女性の安全のために、夜間警備体制の強化にも力を入れている施設が増えています。

●働いている人は、生活指導員と職業指導員がメインです。

施設長、生活指導員、職業指導員、事務員、栄養士、調理員などが働いています。

生活指導員と職業指導員は、女性が社会復帰できるまで見守りながら指導していきます。

最近では、心理療法担当職員を置いて、DVなどで心身に大きなダメージを負った女性に対して、適切なケアを行なうことのできる体制を充実さている施設もあります。

また、夫からの暴力、離婚問題、生活問題、家庭問題など女性が抱える問題の相談に電話や来所による各種相談事業も行っています。

そしてその問題にともなって警察や関係機関との連携も行っていきます。

さらに、就業や住宅確保の情報提供などをサポートしていく自立支援も業務の一環となっています。

●今、婦人保護施設の新たな在り方を模索されています。

DVを受けての入所者が急増する一方で、施設の整備拡充が再検討されています。

また、保護された女性に子どもがいる場合は、母子生活支援施設などの関係機関との連携が必要になるなど、より入所者に合わせた自立支援が求められています。

DVへの対応を筆頭に、女性を取り巻く問題はさまざまです。

そんな社会において、女性の“避難所”“駆け込み寺”として注目されている女性保護施設です。

その新しい在り方が模索されています。




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