作業療法士

福祉・介護の資格ガイド

●仕事の内容について

「作業」とは、日常生活のあらゆる動作や仕事、遊びなどの人間に関わるすべての活動「作業活動」と呼びます。

その作業活動を支援するのが、作業療法士の仕事です。

けがや病気がもとで身体や精神に障害がある人や発達障害のある児童や身体的機能が低下した高齢者などに、絵画や手工芸、陶芸、ゲーム、音楽演奏、レクリエーションなど日常生活の治療や訓練を行い、主体的な生活の確保を図るために、機能回復や機能低下の予防を図る職業です。

食事や洗面など日常生活の動作訓練のほか、職業に向けて手の作業訓練など、幅広い援助を行なうため、リハビリテーションの専門医など他の専門家との連携も必要とされます。

理学療法士と同様に、医師の指導のもとに、身体や精神に障害のある人に対して、機能回復を図ることを目的としていますが、理学療法士と違うのは、理学療法士が基本的動作や運動能力の回復を目的としているのに対し、作業療法士は主に障害者の応用的動作能力や社会的適応能力の回復を図ることを目的にしている点です。

心や体に障害を負った人を対象とするので、繊細な気配りができることが重要なのです。

また、その人にとって最も適切なリハビリテーションとは何かを、患者さんの動きから見抜く鋭い観察力も必要となります。

体が不自由な方も多いため、介護的な要素も必要になり体力も必要です。

●仕事の内容について

活動の場合は多彩で、病院内のリハビリテーションセンターやリハビリの専門施設などの教育な機関などさまざまです。

過去では、病院、診療所、老人保健関連施設の3ヵ所で全体の約75%を占めていましたが、最近では、高齢化社会を反映して老人保健関連施設の伸びが多くなり、また、各種の身体障害者施設や障害児施設などで幅広くニーズが広がり伸びています。

●雇用形態と初任給について

常勤、非常勤、パートなど。初任給は国立病院の場合、大卒で20万円前後、3年制の短大卒では約185,000円です。

病院や施設によって異なります。

●この資格の将来性について

就職率もほぼ100%近くあり、安定した職業だといえます。

一般病院、精神病院、小児病院、診療所などの医療施設をメインに、介護老人保健施設、訪問看護・訪問リハビリテーションなどの医療福祉中間施設や老人福祉施設・身体障害者療護施設などの福祉施設など、多岐にわたるため、将来どの分野を専門とするかによってプロの作業療法士として良い経験を積める現場を選ぶことが大切です。

理学療法士と同様に、ニーズの増加はあっても減ることはない資格です。

●作業療法士になるためには?

現在、作業療法士は国家資格で、作業療法士になるには、主に次のルートがあり、それぞれ卒業後に作業療法士国家試験の受験資格が得られます。

  1. 4年制の大学または3年制の短大で作業療法関連の学部で、必要な知識や技術を修得して卒業した者
  2. 理学療法士の資格を持っている場合は、文部大臣指定学校または厚生労働大臣指定の養成学校で2年以上の作業療法士の知識や技術を習得している者
  3. 外国の養成校を卒業した者、外国で理学療法士の免許を取得した人は、所定の手続きをして厚生労働大臣の認定した者

◎試験科目は①筆記試験/○一般試験…解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学、人間発達学を含む臨床医学大要、作業療法○実地試験…運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、人間発達学を含む臨床医学大要、作業療法②後述試験および実地試験/点字受験者に対して、実地試験に代えて次の科目について行ないます。運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、人間発達学を含む臨床医学大要、作業療法

■試験スケジュール/○申し込み期間:例年12月中旬~1月中旬○試験日:筆記試験=例年2月下旬、口述・実技試験=例年2月下旬○試験地:筆記試験=全国8ヵ所(北海道、宮城、東京、愛知、大阪、香川、福岡、沖縄)、口述・実技試験=東京※口述・実技試験は点字受験者のみ○合格発表日:例年3月下旬

■試験データ/○受験手続き:試験地を管轄する地方厚生局または地方厚生支局に必要書類を提出すること○必要書類:受験願書、写真1枚、返信用封筒、受験資格を証明する書類(修業証明もしくは修業見込証明書等)○受験手数料:10,100円(2013年)

■問い合わせ先/厚生労働省医政局医事課試験免許室 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1‐2‐2 TEL:03-5253-1111  FAX:03(3503)3559 □その他の問い合わせ先/一般社団法人 日本作業療法士協会 〒111-0042  東京都台東区寿1‐5‐9 盛光伸光ビル7F  TEL:03-5826-7811  FAX:03-5826-7872 URL:http:// www.jaot.or.jp/




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