仕事現場の実情は…その2

福祉・介護の現場…仕事の魅力と現実

④忙しくて、休みが取れるのですか?

仕事を選ぶ大きな要因の一つである休暇については、今は、行政によって労働条件は厳しくチェックされる時代なので、休みが少ないということは決してありません。

もちろん有給休暇もきちんと取れます。

ただ、基本的には人を24時間365日間ケアする職業なので、一般企業のように土日や祝日、正月が必ず休みという分けにはいきません。

また、連続した休暇を取りにくいことはあります。

一般企業と同様に事業所によって差がありますので、事前に確認すればよいでしょう。

また、美容・理容業や飲食業、百貨店をはじめ大型小売業なども土日や祝日の休みが無い業種も多くありますが、福祉・介護の多くの事業所では、土日の休みが少ない分、平日休みが多くなりますので「希望休日」といって、自分の希望した日に何日か休暇を取ることができる仕組みになっています。

すいている平日にディズニーランドや観光地に行けたり、平日にしかできないことが行なえるメリットがあります。

若い職員は、平日休みを上手く活用して、余暇を楽しんでいます。

また、職場によっては「変則勤務」、特に、「夜勤業務」があります。

職場によっては、早朝の6時勤務、遅い場合は夜の9時上がり、ということもあります。

これらの勤務が変則的に繰り返されるので、慣れるまでは大変かもしれません。

しかし若い職員は、それさえも上手にこなして、遊びに出かけています。

夜勤はどうしてもという人には、夜勤の無い職種もあります。

最近は夜勤の有無で勤務先を選ぶ人も多いいのですが、私は、福祉や介護の仕事に就きたいと考えるならば、24時間を人にかかわるっている夜勤は非常に大事だと考えます。

特に、初めての人は、若い時に夜勤することで、いろいろなことが得られたり、考えたりさせるたりすることが、多いので嫌がらないで勤めて欲しいと考えます。

人間の生活は24時間365日絶え間なく続いているのです。

よくいわれる昼夜逆転や夜間徘徊などの認知症の症状も、夜間ということが重要になっていることが多いのです。

福祉・介護の夜間の問題は、日中の時間しか勤務していない人には気づかないような問題が、夜間帯にはあるのです。

その問題解決には、夜間帯に見られないかもしれないのです。

ですから、この仕事は、夜勤を経験しなければ語れないと私は思います。

しかし、これは正直言って、歳を取ると身体的に厳しい状態になります。

ですので、若いうちにチャレンジすることが重要なポイントになるのです。

⑤福祉・介護の仕事はやりがいある仕事でしょうか?

知り合いの助産婦さんから、なぜ助産師になろうと思ったのか聞いたことがあります。そのきっかけは看護師として、初めて出産に立ち会い、これまで感じたことのない感動を受けた時に、彼女はすぐに、病院内の公衆電話から、実家の母親に「お母さん、私を生んでくれてありがとう!」と、彼女は、何度も伝えたそうです。生命誕生の瞬間には、人に大きなインパクトを与え、その感動は、何ごとにも言い難いパワーを持っているのだと思います。 一方、高齢者介護施設などでは、必ず直面するのは「生」とは逆の「死」です。この暗くなりがちな事を、自分のこととしても他人のこととしても、できれば避けて通りたいと思いますが、現実には最終的には、避けて通ることができないのです。しかし、それは決してマイナスではありません。私も、多くの「人生の最終段階」を見てきました。ある方の場合は、面会者もなく寂しものでした。また、別の方は、子・孫・ひ孫に囲まれて看取られていく場面はなぜかほのぼのとした気分になりました。それは、母親の最期を迎え、子どもたちは、「お母さん、私を生んでくれてありがとうね!」と先の助産師さんが出産シーンで感動した時と、同じ言葉を繰返ししていたのでした。その時、私は思ったのです。「死」を見つめることは「生」を考えることなのだと。そして、誰でも死は訪れる…、だから人間で唯一平等といえるのが死なんだ! だからこそ、今を楽しく一生懸命に生きようと!…。

⑥福祉・介護の仕事の魅力は何ですか?

私が20年以上前に、福祉の世界に就職する当時は、今よりも誰でもが、いつでも、就職できる職業だったのです。

実は、私は、もともと福祉の仕事に就こうと思ったわけでなく、大学を卒業する時に受けた公務員試験の二次試験で落ち、就職浪人となっていた時のことです。

知的障害者の施設で働いてみないかと声を掛けられ、ブラブラしていても仕方がないので、とりあえず働こうという気持ちで勤め始めたのです。

ところが、こんな世界があるのかと、びっくりしたのでした。

当時、こういう施設は閉鎖的で、他を受け入れない古い職員たちの固執した考え方に嫌気がさし、利用者の待遇にも疑問を感じることばかりでした。

嫌なことや辞めたいと思ったこともありました。

が、そんな私の価値観を全く変えたのが、勤め始めて間もなく担当になった、重度の知的障害を持つ女性でした。

その方は、四六時中動き回って、物を壊す、人にケガを負わせるという行動を繰り返すのです。

私は、毎日それに振り回されて、肉体的にも精神的にもへとへとになってしまい、「今日で辞めよう」と考えていました。

でも、帰り際にはいつも笑顔で「バイバイ」と手を振ってくれる、その笑顔がものすごく純粋だったのです。

それを見ると、ああ明日も頑張ろう!という気持ちになったのです。

言葉にすると気障になるのですが、このお金で得られない力は、自らの人生観を変わるほどの影響力となり、この仕事を続けて行ける推進力になっているのです。

福祉・介護の世界で、活躍してみようと思う、皆さんも、このお金では得ることができないパワーと感動を与えられてもらう仕事にチャンレンジにしてみましょう。

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